薬丸岳『闇の底』
この著者は寡作のようですが、
こういう社会派小説だと、下調べの時間もかかって
寡作にはなるだろうなー。
しかし、先々も読んでいきたい方です。
薬丸岳さんの『闇の底』読了。
『天使のナイフ』が少年犯罪をあつかったもの、なら
今作は、少女をめぐる性犯罪。
またしてもテーマは重い。
少女が犠牲になった悲惨な性犯罪がおこるたびに
以前、性犯罪で捕まった人が殺されていく。
“サンソン”となのるその人物から届く犯行声明と
犯行をうつしたDVD・・・・。
その捜査にあたるのは、以前、妹が性犯罪の犠牲になってしまった
過去をもつ刑事だった・・・・。
犯罪被害者の傷の深さについて考えさせられます。
ラストはなんというのか、怖さがあるな、と私は思いました。
それは著者が意識するところじゃないのかもしれないんですが。
こういう重いテーマを扱った路線はある程度は
貫いて欲しいな。
最新作もこういう路線みたいなので、読むのが楽しみです。
やっと図書館予約で私の順番まわってきたし〜〜。