永井するみ『枯れ蔵』『グラニテ』
本日の読書。
永井するみさんの本、2冊、です。
永井するみさんの『枯れ蔵』読了。
永井さんの長編デビュー作を大幅改稿した社会派ミステリー。
最近の永井さんはミステリーから離れていってるような気がするので
こういう作風は今、読むと新鮮だな、と思う。
富山で異常発生した害虫の謎と
自殺した女性・・・。
なんの関係もなさそうなこのふたつが重なりあっていくとき
悲しい真相が・・・・。
私は初期の永井さんのミステリーを読んで
ファンになったので、今、こういうのを読めたのが嬉しい。
そして、もう一冊は。
こっちは永井さんの最新作だけあって、最近の作風。
ミステリーではなく、恋愛小説。
女のドロドロです。
これがもう読んでいてイタい。
43歳の万里はひと回り以上年下の新進の映画監督の恋人がいる。
夫には10年前、先立たれ、17歳のひとり娘がいる。
カフェのオーナーをしつつ、娘を溺愛し、
年下の恋人に溺れるそんな日々だったが
映画監督の恋人が娘、唯香をみたときから変わっていく。
唯香を自分の新しい映画のヒロインにしたいといい、
強固に反対する万里だったが押し切られてしまう。
恋人が娘といるのが耐えられない。
母でありながら、恋のライバル。
娘に女として嫉妬をする母。
母の恋人が監督であるのを知りつつ
ひかれる娘は母に対抗心を抱く。
そんな母娘のドロドロ心理が読ませます。
これ映画にしたら面白そう。
今だったら10代の女優さんも多いし。
母の万里は、周りの男を知らず知らず魅了するだけの
美しさが欲しい。
これは一気にすいすい読めました。
読んでいて、娘が映画に出るのに頑固に反対する万里に
嫌気がさしてくるくらい、
女性を生々しく書いています。
うーん。
女って怖い〜〜。