末浦広海『訣別の森』




末浦広海さんの『訣別の森』読了。





















第54回江戸川乱歩賞はこの『訣別の森』と
私が以前に読んだ『誘拐児』が受賞していますが
どちらかというと、今回読んだ作品の方が私は好みかも。




乱歩賞らしいスケールがあって、映画でみてみたいかも、これ。





ドクターヘリの元自衛隊の機長、槙原が主人公。
墜落したヘリを偶然発見し、けが人ふたり救い出すが
そのひとりは自衛隊時代の部下だった女性、一恵だった。





少なからず好意を抱いていたその女性は
まだなおりきってない怪我が痛むだろう身体で
病院から姿を消す・・・・。




元部下の一恵、今の恋人、佐智子、そして槙原、の
三人の内面をもっと知りたかった、けど
スケールが大きく、北海道の風景とあいまって
光景が浮かびそうで、映像化向きかも。



別視点の物語が挟み込まれる構成も
ちょっと中途半端かな・・・・。
そっちをもうちょっと描きこまれていたら
より物語に感情移入できるのにな。




しかし、一気に読ませる面白さがありました。