中島京子『平成大家族』・田中啓文『ハナシがはずむ!―笑酔亭梅寿謎解噺3』


本日の読書。


中島京子さんの『平成大家族』読了。













大家族、といっても、
子だくさんの一家のほのぼのファミリーストーリー
という世界ではない、のが面白いところです。




引きこもり長男や痴呆症な90歳こえた祖母はいるものの
娘二人は結婚してでていって
夫婦老後はゆっくり、と思ってた矢先。




長女は夫の事業失敗、自己破産でマイホームを失い
息子ひとりつれて一家で戻ってくる。
次女も離婚して戻ってくる、で
結局、大家族になってしまった一家の物語。




ややっこしいことは関わらず、ほわー、っとすごしてきた
ことなかれ主義な緋田家の当主やら
ひきこもって、株やってすごしてる長男が
祖母のヘルパーとしてやってきた女の子と恋したり、
長女の息子は中学生で、中高校一貫のエリート学校にいってたはずが
家系の関係で、公立中学に転校。
いじめられないように、これまたことなかれ主義でやるすごす
公立中学ライフやら、
計画好きで、東京から大阪へ夫の仕事の都合で転勤になり
やってた仕事が上手くいかなかった時期に、
子づくりにはげむ次女やら。




新聞記者だった夫は多忙で、計画的に子づくりするというのには
向かない仕事だった・・・。
そこでかりかりする妻にその妻にかりかりする夫。
夫婦生活が破たんした矢先、
ちょっとしたなりゆきで、一夜を共にした
若手芸人の子供をみごもってしまう・・・・・。




それぞれの家族のそれぞれの物語が軽快につづられていて
一気に読めました。



ものすごーーーく不幸ってわけでもないけど
平穏な、というのでもない。
そういうカンジな家族の物語が
なんとも絶妙。




面白かったです。



これドラマ化しても面白そう。




そして。
シリーズ最新作。





田中啓文さんの『ハナシがはずむ!―笑酔亭梅寿謎解噺3』読了。

















竜二は、時代劇にでることになり
テレビドラマのザ・芸能界な世界に魅せられてしまい、
今やってる落語をやる気がなくなってきてしまう・・・
という話や
竜二が長年絶えていた落語の大名跡をつぐことになる?
騒動やら、相変わらずの一門。




まだまだ見習い落語家だけどこれからどう成長するのか
見守りたくなる青春落語小説&ミステリー。




面白い−!



落語ミステリーでは、愛川晶さんのも面白いけど
愛川さんのは、落語の内容に深く踏み込む感じな落語ミステリーで
(2作までシリーズででていて、1作目はよんだのですが
改めて近々2作一気読みしたいと思っています)
田中さんのはキャラクターがたちまくっている面白さがあります。




今、朝倉かすみさんの『田村はまだか』を読んでいますが
読んでる方も、
「そんでもって、田村はまだーー??」
な気分になる(笑)。