大村友貴美『死墓島の殺人』


本日の読書。







大村友貴美さんの『死墓島の殺人』読了。




















横溝正史ミステリー大賞を受賞した
『首挽村の殺人』も読みましたが正直、面白くなくはないけど
手放しで面白いって出来でもないな、とあんまり印象は
ありませんでした。






今作もまた受賞作と同じく
どこか横溝的な設定がありつつ、限界集落の問題など
現代的な問題も含ませたミステリー。





ただこの小説の方が、より熟れていて
どこか横溝的設定がありつつ、大村さん独自の色が
より感じられる気がします。







岩手県沖の小島。
そこで発見された死体は奇妙な形をしていた。
崖の上から十字形にされて吊るされ、顔を黒いビニールで
被われた死体・・・。





そのときから、連続殺人が発生する・・・。




島に残る昔の因縁。
島を支配する3つの旧家・・・・。




と横溝的な世界を感じさせつつ
横溝程、おどろおどろはしてない。
そこが物足りなく思うとこもあるけれど
これはこれで大村さんのもつ世界なのだと思えます。




もう少し、人間の哀しさをより感じさせてくれると
いいな、と思ったりもしますが
今作のこなれかたを思うと次作がより楽しみで
力ある人だな、と思いました。






女心の複雑さを描けるのは女性ならでは。
ってか、女性ですよね??作者の大村さんは。





面白かったです。