天堂荒太『悼む人』

本日の読書。










天堂荒太さんの『悼む人』読了。
























12、3年前に『家族狩り』を読んで以来の
天堂さんの小説かも。




読み終えた今、
どう感じたのか、
自分に問う時間が欲しい、そんな小説でした。




亡くなった人を悼むため、全国を旅する青年を巡る物語。





がんを患い余命いくばくもない彼の母。
彼と一緒に旅することになる、夫殺しで服役していて
刑務所を出たばかりの女性。
彼のことが気になる、あくどい記事をかいてるトップ屋。






死んだ人を悼む旅をする青年と
彼を取り巻く人々が丁寧に描かれています。






過度に同情することもなく
ただ、誰に死んだ人は愛されたか、などを
周囲の人々に聞く、そんな旅。





彼が“悼む人”になった経緯も書かれていますが
それを読んでも、果たして悼む人になった彼に
共感できるか、というと難しい。





亡くなった人のことを聞いて欲しい場合もあれば
赤の他人がほじくりかえすことに否定的な人もいる。





それを理解した上でなおかつ、
“悼む人”でいる、というのは壮絶、だ。





悼む人は、誰ですか…。